酒のうまさは、だれとのむかということにつきるかもしれない。
馬齢を重ねると、我慢してまで、気乗りのしないひととはもうのみたくなくなった。
酒の味や、酒のあてがうまいとか、場所がきれいとか、女がどうだこうだというのは、どうでもよくなった。
以下、あくまで自分の幻想ではあるが、どんなひとと呑みたいのだろうか。
権威とか、独善主義に、すでの興味がなく、それらに背を向けて生きているひと。
ねたみやうらみのないひと。
劣等生的な人にむしろ豊かさを感じ、親愛感をおぼえるようなひと。
正義漢ぶらないひと。正義という言葉の危うさを知っているひと。
気弱人間、まぬけ人間などなど。
酒のあては、ひと。