アメリカ生活での可笑しさを一つ紹介する。
病院から帰った後は、借りていた自分のアパートメント(マンションという言い方は聞いたことがない。)近くのレストランまで歩いて、夕飯を食べていた。
当時若かったのでよく肉をたのんでいた。
日本より安いが、硬くて顎のトレーニングとなる。
いつものモータウン風のボーイさんがきて、”How would you like, Sir? ”と聞く。
これはステーキの焼き方を聞いているのである。
はじめはまじめにmedium rareとか、mediumとか、日本の旅行書に書いてあるような答え方をしたもんだ。
しかしながら、出てくるものは、常に、well-doneなのである。
もともと筋張った硬い肉が、さらによく焼かれてカチカチなのである。
でも、ほかの料理よりまだましなので、私は食べ続けた。
また同じボーイさんが次の日も、チップ目的?の笑顔で、迎えてくれる。
そしてまた、”How would you like, Sir? ”とお決まりのフレーズを言うのである。。。
翻って思うのだが、私はこのアメリカ社会のおおらかさに、今後も変化のないことを希望する。
今でも、この光景を思い出すたびに、笑顔がもどる。
人間の最大の愚行は、人に完璧を求めることではないかと思ってしまう。