もう20、30年まえの話になるだろうか、仕事で中国の天津に行った時の話である。
土産に、<天津甘栗>を買って帰ろうと思っていた。
同行していたのは、当時自分の大学医局に留学していた中国人医師だった。
「そんなもんはない。」というのである。
さらに、<天津飯、天津丼>にいたっては、「そんなもんあるか。」と言った勢いである。
これが一般の中国人の認識なのだろう。
日本人が、適当に作って勝手に名前を付けたのか?
うーん、これは、まいったなと思った。
こういう世俗一般のものにせよ、大きくは、歴史のようなものを、他国人にいじられる心地のわるさを、想像できたからである。