2023-10-03 死んだふり 若いころからいたずら好きなMという男がいた。 時々死んだふりをして、人を驚かすのである。 しかし、年季とともに社会的矯正され、その芸をすることをかなり長く忘れていた。 年をとり、脳の前頭葉が次第に萎縮し、抑制がきかない年齢になった。 集まりがあった。 ひさしぶりにその芸をやってみたくなり、やってしまった。 会場は騒然となった。大混乱となった。 それを最期に奴さんはその芸をやっていない。 やってはいけない年齢相応の芸というのはあるようである。