このスポーツについて、ここでは、ひとつだけ書いてみる。
あまり一般の人は、知らないかもしれないことを書く。
ラグビーというスポーツの根っこの部分のこと。
このスポーツは、「トライした者が、はしゃいではいけない」、という暗黙の了解、不文律がある。
高校で、部に属し、初めて試合に出た時のことだったと思う。
トライした新入生が、歓喜の声を上げた時のこと。
キャプテンが「さわぐな!」と大喝したのである。
彼はトライをしたのに、キャプテンから注意された。
予想だにしないことであったため、非常に驚いた覚えがある。
つまり、ボールを後方にしかパスできないこのスポーツは、8人で組まれたスクラムからはじまり、皆がボールをつないでつないでつないで、はじめてトライが生まれる。
全員15人で勝ちとったものである。
トライをした者は、「最後にボールを置いた、15分の1のduty、役割を果たした人間」ということである。
これは、現在にはすでに失われた古き英国の思考法の名残なのだろう。
現在、フランスでラグビーワールドカップ2023が行われている。
最強チームの一つ、ニュージーランドのオールブラックスが勝ち進んでいる。
このチームは、プレイのきれいさ、卓越した個人技など、やはり王者の風格をそなえていると自分は思っている。
発祥地英国より、フェアプレーをする。
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トライのあと、トライした者がどのように映るか、上に書いたような観点から一度見てほしいと思う。