Dr.FeelGoodの小部屋

小さな楽しみを見つけて、それをつなげて日々を過ごすだけ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

ドクトルまんぼう航海記(北杜夫) 50年ぶりに読みかえす。

この春頃、50年ぶりくらいに、この本を読み返した。 精神科医である筆者が、水産庁調査船での船医の体験をユーモラスに描いたものである。 発刊は、1960年、昭和35年。戦後15年ほどたったころ。まだ、都会でも舗装が完全ではなく、雨の日は学校の行きかえり…

個人に忍耐を強いる事 日本型医療経済の裏側

非常勤勤務で、週に一度行っている病院がある。 外来についてくれた事務のおばさんが、「今年の夏のボーナスは減給になります」と小声で言われた。 この病院は大都市近郊の中規模個人病院で、自分が驚くほどにコロナ対策に打ち込み、多くの労力を投じていた…

「胃の調子がわるいのですが。。」:外来患者の内視鏡検査結果をみて時々おもうこと。

胃の不調を訴えてこられる患者さんは実におおい。 以下、あくまで私見である。 まず、自分が若いころと違い、胃癌患者の数は、大腸癌患者と逆転し、減少傾向にある。しかし、良性の疾患を含めると、たいへん多い病気といえる。 また、心疾患、脳疾患、その他…

大人とは、裏切られた青年の姿である。

太宰治 「津軽」から

学習:ネズミの迷路の実験

先日、本屋でなつかしい本、チャート式数学をみて愕然とした。 なんと本の厚みが自分が高校生だったころの2倍はある。 各教科、ワシの時代の、2倍は勉強させられているわけか。。。 本田宗一郎が、「昔は漢字をたくさん知っているやつが偉かった。今は知識を…

ある情熱:本 「世界で最も阿呆な旅」

ひとにとって、あまり意味がないと思えることに、この本の筆者は情熱を注いできた。 サブカルチャーに興味のある自分は、何年も以前に、この本を本屋で見つけすぐに買おうとしたが、たまたま長いレジ列があり、あらためて読んでいるうちに阿呆らしくなり、一…

猿之助、なにがあったか知らんが、起き上がれ。

以下、あくまで私見にすぎない。 僕は、芸人というものは、観客に感動を与える、その一点だけあれば、それだけでいいと思っている。 まったく全人的なものは求めない。 人間はそもそも一つのことができれば、それで十分である。 自分をふくめ、それすらでき…

ある昭和の曲: 猿股の唄 高田渡&ヒルトップ・ストリングバンド

最近ラジオでかかっていた曲。 詩の内容が、なんともいえない奥ゆきと味があり、一本筋の通った哲学観を感じるものである。 しばし感心して、一体だれが作詞したのかと調べてみると、なんと金子光晴氏。 やはり格の違いを感じる。 以下、歌詞 父と子が二人で…

酒をのむなら。。

酒のうまさは、だれとのむかということにつきるかもしれない。 馬齢を重ねると、我慢してまで、気乗りのしないひととはもうのみたくなくなった。 酒の味や、酒のあてがうまいとか、場所がきれいとか、女がどうだこうだというのは、どうでもよくなった。 以下…

On the sunny side of the street (明るい表通りで):カーミット・ラフィンズ

先日、ラジオをかけていた時に、かかっていた曲。 晴天で、風も心地よく、実にいい季節になってきた。 たくさんのひとがカバーしているジャズスタンダード曲だが、カーミット・ラフィンズのものはいい。 味がある。 (On the sunny side of the streetは、明…

遠藤周作氏 ビートルズの随筆

以下、あまり上品な話ではありませんが、しかしながら、若干、好きな話なので書きます。 氏の本に書いてあったもので、だいたいこんな内容です。 ある新聞にビートルズのことを書いたときに、文末に「ビートルズの泊まったホテルのボーイと知り合いで、ビー…

ゴンドラの唄 

黒澤明監督の映画「生きる」。1952年の作品。 名優、志村喬が雪の降る公園のブランコのシーンで、口ずさむ曲である。 この作品の象徴的な場面である。 全編を通してみ、最後のこの場面にいたると、なんともいえないこころもちになる。 すこし調べてみると、…

世の中のことはすべて、心の持ちよう一つで、どうにでもなる。

どうも、渋沢栄一の言葉のようです。 近くの神社に散歩に行ったとき、そのような言葉が紙に書いてありました。 渋沢栄一という人は、若干、好きなひとかもしれません。 助平だったようです。 (余談ながら、自分は、助平なひとはいい人が多いような気がして…

昭和歌謡 港町ブルース 

時々、寝る前に枕元で聞いている曲。 北は函館から始まり、南は枕崎、鹿児島で終わる。 日本を南下、なにかしら一日おわった感じで、落ち着つける。 知らなかったのだが、この歌詞は1969年、雑誌「平凡」で、募集されたものがもとになっているという。 歌詞…

組織と効率化? 余裕と医療

これも、いろいろな見方や切り口があります。 今回は、自分のすこし思っていることを書きます。 組織の効率化をどんどん進めていくとどうなるのか、究極の組織は何なのか? これは、どうも、軍隊だそうです。 わたしのいる医療の世界は、ほぼこの真逆の世界…

「先生、私、どこか悪いのでは?」

「ご安心ください。わたしをふくめ、皆さんビョーキですから。」 (ある文庫本の帯から改変借用。)

プロとアマの違いは何なのか? その2

以前、プロとアマの違いについて少々自分の思うところを書きました。 「安全性の確保」がなされているかどうか、という点についてふれました。 以下、その2として。 これは大酒飲みのある教授が宴席で言っていたことで、時々思い出すことがあります。 アマと…

駿州、日帰りオッサン散歩旅

先日、静岡清水界隈をぶらぶらと、オッサン二人で散歩した。 相方は、小生のプレゼントしたスキットル持参でちびちび焼酎を飲んでいた。 気候の穏やかさは、人の大らかさを生むものであり、いい旅だった。 家康の隠居地。 気候といい、土地柄といい、申し分…

昭和歌謡 みんな夢の中

1969年、高田恭子のデビュー曲。 なにかしら、初期のエリック・クラプトンのギターサウンドでよくいわれたウーマン・トーンという表現があるが、そういうふうな人の声といっていいかもしれない。 作詞作曲は、小生の敬愛する浜口庫之助(はまぐちくらのすけ…

Silence is golden. :ある議員への猿の逆襲

最近、猿を相対的に見下げたような発言となった、unhealthyなる批判勢力政党のある議員がいたようである。 公の場での、猿発言で、その地位をもおびやかされることになろうとは、思わなかったことだろう。 (さて横道にそれます。) すでに30年ほど前の話に…

いたずらオヤジ、作家・遠藤周作さん生誕百年

昨日、作家遠藤周作氏の生誕百年の報道がなされていた。 さて、自分が小学生のころ、氏はコーヒーの宣伝によく出ており、親父のローデンストック型の眼鏡を借用し、氏の物真似をして家族を笑わせていた。 親父からすすめられた「海と毒薬」という本は、学生…

日本の三大奇書のこと

読書好きの友人と酒を飲んだ。 もう20-30年前に、夢野久作の「ドグラマグラ」を読んで、頭がおかしくなりそうになったことを話した。 彼が言うには、「ドグラマグラ」は日本の三大奇書の一つであり、あと二つあるとのことだった。 中井英夫「虚無への供物」…

WBC 日本おめでとう:Baseballを「野球」と翻訳した人物。

WBC、結構見てました。 JAPANおめでとう。 番狂わせの多い野球というスポーツながら、期待通りに勝つところが素晴らしかった。 僕の記憶の範囲では、Baseballを「野球」と翻訳した人物は、 俳句の正岡子規だと思います。 この人は野球が大好きでした。 正岡…

新橋駅前ビルのこと

新しくぴかぴかしたもの、これには最近あまり興味がなくなってきた。 ひさしぶりに、新橋駅前ビルに行ってみた。 相変わらず、昭和の雰囲気がのこっている。シャッターが閉まっている店がおおい。 酒をすこし飲んでみた。 落ち着けた。 でもこの新橋駅前ビル…

国会の議論におもう。真に日本をおもうなら、重要事項に優先順位をつけ、議論してほしい。

さてさて、生前の司馬遼太郎氏の言葉を借用するならば。。。 健康的な批判勢力が存在すること、このことが非常に重要であると。 つまり病的な批判勢力ではないということだ。 多くの重要な議題が、今の日本には、山積みである。 外交、経済、少子化問題、教…

どんな主治医がいいのでしょうか?(あくまで私見です。)

以下、あくまで私見です。 (ものごとの切り口はいろいろあることを分かったうえで書いています。) やはり、それは、まず、自分と同じ病気をもつ医師でしょうね。 医学にはまだまだ分かっていないことが満載で、とくに数字で表せない(定量化できない)病気…

ヌートバー(Nootbaar)の呼吸法: WBCを見ておもったこと

WBC、第一戦、第二戦を見て、すっきりした。 (政治外交とスポーツを混同してはいけない?そうだが、小生、そもそも人間ができておらずしかたがない。) 手術集中時の精神安定とそのパーフォーマンスの安定性や安全性という観点から、以前から呼吸法というも…

たとえば片側2車線の車の信号待ち: 真横に、顔が見える位置に停車するのは、日本だけなのか?

日本で当たり前のことが、国が変わればちがうという話をすこし。 たとえば、片側2車線の信号待ちで停車するとき、隣に停車する車が、真横に顔が見える位置に、車を止めてくると、僕の場合は、いやなかんじがする。 すこし、アメリカ生活の思い出を書くと、こ…

「虫の冬眠」 やがて来る春を待つ。

ひとには、やはり気分の浮き沈みというのは、あるものでしょう。 躁鬱気分というのは、循環してやってくるもののようです。 ある作家の回想録をよんでいたら、以下のようなことが書いてありました。 以下、記述内容。 「のちのうつ病になった時、はじめはジ…

ウクライナとロシアとの歴史的な関係についてすこし。司馬遼太郎「ロシアについて」から。

両国の戦争が始まって、昨年、司馬遼太郎「ロシアについて」を読んでみました。 (小生、歴史家でもなく、素人です。) 過去にロシアと戦争した国は、わが日本自身であり、日本の外交上の最も注視すべき国は以前から同様、現在もロシアであるはずであり、とく…